親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

過去の二千畳にあって、今の二千畳にないもの。「20年の歴史、輝く未来へ・世界最大の畳敷き二千畳」(顕正新聞2023年2月15日号)を読んで思った事。

宗教法人・浄土真宗親鸞会機関紙・顕正新聞2023年(令和5年)2月15日号を読みました。
以下、思ったことを書きます。

顕正新聞2023年2月15日号1面

コロナ対策が緩和され、今年は、親鸞会館・二千畳(富山県射水市)に全国各国の同志があふれる光景が戻ってくるだろう。感染には油断なく、比類なき大法城で真剣な聞法に挺身したい。(顕正新聞2023年2月15日号1面より)

日本政府がコロナ対策を緩和する流れを受けて、親鸞会も二千畳での行事の再開に力を入れているようです。


昨年3月には、親鸞会館の大型映像装置も最新式のものに新調しました。

さらに過去の映像もより美しく再生できる。通常、映像にノイズ(乱れ)が含まれていると、「以前より映像がくっきり見えるようになった。大型装置に表示すれば、映像の粗も拡大される。新システムは、最新技術でノイズを自動的に抑制・除去するため、臨場感あふれる映像になる。(顕正新聞2022年12月15日号4面)

この記事でも「過去の映像」とあるように、やはり高森顕徹会長が今後も会員の前で話をすることはなさそうです。

二千畳で開かれる「高森先生ご講演」は、会員の人はよく知っていますが、「過去の映像」です。それがより鮮明に見る事ができるというのが、二千畳に足を運ぶ意義のようです。

2020年2月26日、政府は新型コロナの感染対策として大規模イベントの中止発表をしました。それ以来、親鸞会館ではこの3年間、人数制限つきでの行事を行ってきました。その間、多くの会員は二千畳に足を運ぶ事なく、学徒タブレットで「過去の映像」を聴聞するということを繰り返してきました。

そこで、今年のおそらく5月以降は「以前と同じように二千畳で行事がありますよ」と言ったところで、前と同じように会員が集まるとは考えにくいです。なぜなら、以前はそれでも「高森顕徹会長が会員の前で話をするかもしれない」という気持ちが会員にもあったからです。

しかし、現在は高森会長が再び会員の前に現れる可能性は低いです。またこの3年間でネット中継の過去のビデオ法話を聞いていくのが常態化してくると、「同じ過去のビデオ法話ならば家で聴聞します」と考える会員の方が多いと思います。

それは、映画好きの人でも「映画は絶対に映画館で」とか「IMAXシアターでなければ」と思う人は、決して多数派ではないのと同じ事です。

「映像の問題ではない」というならば、なおさらどこで聴聞しても同じです。

かつて会員が二千畳(または高森顕徹会長の法話会場)に足を運び続けた理由

これまで親鸞会会員が、「火中突破の覚悟」で富山県親鸞会館へ、また各地で法話があったころは北は北海道から南は九州沖縄、さらに海外まで高森顕徹会長の法話を聞くために足を運んでいました。それは、「今度こそ続きが聞けるかもしれない」という期待感が大きな動機であったと思います。

「続き」というのは、高森顕徹会長の法話はいつも最後の大事なところで終わるのが通例でした。「大事なところ」というのは、会員が聞きたい「信心とは何か」「どうすれば救われるのか」というところです。仮に「三願転入の話」であっても、どうすれば救われるのか、「十九願の道を進んで善をする」のあたりで話は終わっていました。

会員は、そういった高森顕徹会長の法話を聞きながら、「次こそ肝要なところ」「聞きたいところ」が聞けるかもしれないと思わされ続けて足を運んでいました。しかし、元会員で私より会員歴が長い人でも「その聞きたいところは聞けなかった」と言われています。

過去の二千畳にあって、今の二千畳にないもの

あるなしクイズではいうならば、それは「希望」です。
過去の二千畳には「次は大事なことを聞けるかもしれない希望」がありましたが、今の二千畳は「過去の映像」なのでそれがありません。正解は「希望」です。

しかし、「希望」はあっても、足を運んで「本当に聞きたい事」がなかったのも過去の二千畳です。今の二千畳は、そういった過去の「本当の聞きたい事がなかった法話」が上映されるだけです。どれだけ快適な空間で、綺麗な映像にしたところでそこにはかつてあった「希望」はありません。

「いつも肝要なところを説かれているのだ」という講師・会員の人もいると思いますが、それならばどこで聞いても同じ事です。私も、そんな法話ならばいつどこでされた話だろうと関係なく聞きたいものです。
しかし、過去のビデオ法話を聞く時の気持ちを正直に振り返って見てください。「この話には本当に聞きたいことがなかったな」と思ってはいないでしょうか?そんな話を聞きに二千畳に前と同じように会員が集まることは難しいと思います。