2021年10月16日(土)17日(日)親鸞会の報恩講が行われました。
今回も、ネット中継を中心とした行事で全国から会員が集まるものではありませんでした。
新型コロナウイルスの感染対策と、今年の降誕会(5月15日・16日)の参加者が過去最高(顕正新聞報道より)だったため多くの参詣者に対応できないとの理由で参加対象は会員中心かつネット中継が主なものとなったようです。
そのため、公式サイトには報恩講の行事案内が出ていませんでした。
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今回のネット中継での報恩講に参加された方に聞いてみると、内容は過去の高森顕徹会長のビデオ法話が中継され、弁論大会はあったとのことでした。
親鸞会会員に発行されるIDとパスワードがあれば、自宅でもどこでも参加は可能にしてあるので、少なくともどの会員が自分のIDで参加したかは分かる仕組みになっているようです。
ただ、複数会員が一堂に集まる場合もあれば、自宅で会員1名と非会員の家族で参加した場合もあるので参詣者数は自己申告によるものとなります。現在会員の方からの情報によると、現在のネットでの参加環境からすると目標達成のために水増しで報告されているものも少なからずあるように感じました。
過去最高の参詣者とその現実
会員の間では、とにかくその時間に学徒タブレットでつないでいれば文句は言われないといって、実際は話をまともに聞いていない人もあれば、そもそも過去のビデオばかりなのでもう見ないという人もあります。
それで報告上は「過去最高の参加者」となっているので、本当に実態をともなっているのかという点においては疑問に思います。
20年以上前に「ビデオ法話テープをダビングしたものは死刑」と言っていたのが遠い昔に感じるのが、今の親鸞会の現場の実態です。
以前のビデオ法話と、現在のネット中継の違い
親鸞会では、以前より高森顕徹会長のビデオ法話が開催されていました。1990年(平成初期)ごろからVHSのビデオテープを貸し出しをして、各地の責任者だけが取り扱うことができるものでした。
今は、親鸞会会員でIDとパスワードさえあれば、自宅でも出先でもネット環境さえあればいつでも高森顕徹会長のビデオ法話を視聴することができます。今回のような行事に関しては終了後しばらくはいつでも視聴ができるので、ライブ配信に時間があわなくても参加は可能です。
このように高森顕徹会長の過去のビデオ法話を聞く環境は以前とかなり変わりましたが、最も大きな違いは実際に高森顕徹会長が話をすることがない点です。
昨今のコロナ禍で、各地の伝統教団の法話もネット中継するものが以前より多くなりました。しかし、それらはネット中継とはいえ、そのうちその人の法話に直接足を運べば、その人の話を聞くことができます。ネットで聞いた人も「今度は足を運んで聞いてみよう」という気持ちになります。
親鸞会の以前のビデオ法話も、高森顕徹会長が実際に話をしていたので「今度富山で話があります」と聞いて「じゃあ足を運んで直接聞いてみよう」となる効果はありました。しかし、現在はどれだけネット中継で過去の高森顕徹会長のビデオ法話を聞いたとしても、親鸞会館で高森顕徹会長が話をすることはありません。今後コロナ禍が収まった時に、親鸞会は「富山県の親鸞会館に全国の会員は集まって過去のビデオ法話を聴聞しましょう」と訴えても、以前のように足を運ぶ会員は多くないのは想像に難くありません。それは、無観客だった今年のオリンピックの映像を、来年会場で録画で見ましょうといわれても足を運ぶ人はいないのと同じことです。