親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

高森顕徹会長の講演DVDを見て、「法話」から「映画解説」になった理由が分かった件

2019年02月17日(日)親鸞会館での二千畳講演がありました。
会場で案内があり、2018年12月の高森顕徹会長「なぜ生きる映画解説」のDVDが販売されました。価格は1800+税となっています。ちなみに、公式サイトでも10分間は誰でも見ることができます。

今回、DVDを入手して見てみました。その感想を今回は書きます。
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映画「なぜ生きる」解説DVD

演題はこちらです。

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演題(映画『なぜ生きる』からの質問)

映画『なぜ生きる』で、自ら命を投げ出した了顕を見ると、命よりも大切なものがあるように感じました。
仏教では、なぜ人の命は尊いと教えられるのでしょうか。

内容に関しては、これについて盲亀浮木の譬や絶対の幸福になるためなど、また南無阿弥陀仏については言葉だけは出てくるものの、浄土真宗の救いについてはあまり触れないという感じのものでした。
具体的には、以前の記事に書いていますので以下を参照下さい。
shinrankaidakkai.hatenablog.com


「法話」から「映画解説」へ

しかし、百聞は一見にしかずという言葉もありますが、今回映像を加えて高森顕徹会長の話を聞くのは実に11年ぶりでしたが、大きく変わった点がありました。それは「浄土真宗の法話」から「映画解説」に内容が変わっていた点です。

これだけ聞くと「ちょっと何言っているかわからない」ということですが、一部画像を交えて書いていきます。
前述しましたように、そもそも演題がアニメ映画「なぜ生きる」を見た人からの映画の内容についての質問という形式になっています。そのため、その解説ですから、高森顕徹会長の親鸞会館での話はあくまで「映画解説」という建て前で話が進められています。

そのため、このDVDに収録されている内容では、アニメ映画「なぜ生きる」のシナリオブックの文章が、お聖教の言葉と同列にならんで解説をされています。

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源信僧都・横川法語
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映画「なぜ生きる」シナリオより
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映画「なぜ生きる」シナリオより

率直にいえば、「映画のシナリオが中心」で、その解説のためにお聖教の言葉をつかって解説をしているという、かつての親鸞会で話をしていた法話とは逆のことが起きています。私が在籍していた10年以上前は、「まず親鸞聖人のお言葉を出して、それを分かるように話をするのが法話である」と高森顕徹会長は強調していました。私も講師部員であったときに、何度もそのように聞いていましたし、それに関しては今もそうあるべきだと思います。

しかし、あれから11年。今は、「まずは映画なぜ生きるのシナリオを出して、その意味を分かるように話をするのが映画解説」という形式になっています。これでは、「親鸞聖人のお言葉」を伝えているのか、それとも高森顕徹会長が自分の書いた「映画『なぜ生きる』シナリオ」を伝えているのかを考えると、明らかに「映画の解説」をしていることになります。つまり、すでに「法話」ではなく「映画解説」をしているのが今の高森顕徹会長です。


まとめ・質的変化をしていた今の親鸞会。

私がかつて知る親鸞会とは「浄土真宗親鸞会」でした。教義的に間違ったことは言っていても基本的スタンスは「親鸞聖人の教えを正確に迅速に一人でも多くの人に伝える団体」でした。しかし、今回のDVDで分かったことは、「高森顕徹会長が、高森顕徹会長の作品(映画・著作・教え)を伝える団体」になったということです。


実態を言えば、前からそうだったのですが、建て前としては「親鸞聖人の教えを伝える団体」だったですが、その建て前も捨て去って「高森顕徹会長の教えを伝える団体」になってました。すでに、高森顕徹会長にとってお聖教の言葉とは、自分の著作物を権威づけるためにツールに過ぎないということです。いわゆる自分の教えに説得力を持たせるために、「お釈迦さまの言葉」や「聖書の言葉」などなどを引用する、あまたある新興宗教の教祖となんら変わりはありません。

10年一昔とはいいますが、どの時点からそうなったかは今は私も明確にはいえませんが、徐々に変わっていったのだと思います。10年近く前から、高森顕徹会長の座談会の質問が「なぜ生きる」「なぜ生きる2」「歎異抄をひらく」からに限定されたころからその傾向は色濃く出てきました。そして決定的になったのは、2016年アニメ映画「なぜ生きる」公開から始まった、「映画解説」です。それからは、親鸞会館で月2回行われる高森顕徹会長の話は、事実上「映画解説」になりました。それから、2年半以上が経過したのが今日です。

今回のDVDにも「高森顕徹先生・映画『なぜ生きる』解説」と表記がしてあり、「法話」とはどこにも書いてありません。
ある意味「ウソ」はついていません。会員にとっては、単に行事の名前が「法話」から「映画解説」になっただけのように思われるかもしれませんが、この時点で高森顕徹会長は「浄土真宗の法話」をしなくなったということです。では、毎月2回親鸞会館で何を話をしているかと言えば、自分の作った映画の内容を自分で解説をしているだけなのです。繰り返しますが「自作の映画の解説」をただしているだけで、「法話」ではありません。つまり、「浄土真宗の教えが聞ける法話」は親鸞会館では終了していたということです。


ここまで読まれた、現役の会員の方に伝えたいことは、「映画解説」と「浄土真宗の法話」はイコールではないということです。その上で、これからも「映画解説」を聞くために親鸞会館に行かれるのでしょうか?「浄土真宗の法話」は、いろいろな場所で開かれているので、一度足を運んで見て下さい。