親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

2024年顕正新聞1月1日号年頭所感に高森顕徹会長の文章がない件について考える

宗教法人浄土真宗親鸞会富山県射水市)の機関紙・顕正新聞2024年(令和6年)1月1日号を読みました。

以下、思ったことを書きます。

目次

毎年恒例の高森顕徹会長の年頭所感がない

例年に比べて大きく変わった所が1つあります。
それは年頭所感に高森顕徹会長の文章がない事です。毎年1月1日号は、年頭所感として高森顕徹会長を始めとして、各部門長が年頭に文章を書いています。
中でも高森顕徹会長の年頭所感は、以前は特に若い会員は全員暗記をするようにいわれたものです。そして年始の新春大会で高森会長が隣席する前で、年頭所感を諳んじると言うのが何年も続きました。

今年1年の方針を高森顕徹会長が示し、それに向かって一年間活動をするという活動方針発表の場でも有りました。しかし、ここ10年以上は高森顕徹会長の著作からの引用が殆どで「新作」のものは出ていない状態でした。それでも、文末には一文が加えてある形にしてありました。

ちなみに昨年2023年の年頭所感はこう結ばれています。

『歎異鈔』旋風に、親鸞聖人ブームの追い風は、無上仏より賜る報恩の大勝縁に違いない。仏法に明日はなし。このひとときに燃え尽きよう。(顕正新聞2023年1月1日号年頭所感「今ぞ秋 親鸞学徒 決起する」高森顕徹

これにしたがって、2023年の親鸞会は各地で「歎異抄に大いに学ぼう」の行事を行ってきました。
歎異抄に大いに学ぼう | 歎異抄大学

しかし、今回は高森顕徹会長の年頭所感がありません。これは顕正新聞発行以来初めてのことです。
人前に出なくなって4年経過した高森顕徹会長ですが、文章を書ける体調ではなくなったということかと思います。

事実上の会長交代を思わせる紙面構成

実際の所はわかりませんが、紙面を見ると実質上の会長交代ともとれる構成となっています。

  • 1面・親鸞聖人ご誕生850年(2024年5月23日(木)〜29日(水))統一テーマ決定「人生の目的ひらく歎異鈔 八百五十祖師を慕いて」
  • 2面・「報恩」の書家の大文字と同朋の里の写真 左下に本光房了顕の話
  • 3面・年頭所感:高森光晴講師長
  • 4面・年頭所感:特専部長
  • 5面・論説:渡部隆志弘宣局長の年頭所感

(以下略)

本来、高森顕徹会長の年頭所感が入る紙面に大きく赤文字で「報恩」とあると今年の親鸞会の活動テーマはこれであると言う事が分かります。

「人生の目的」を前面に

また、他の年頭所感からも、事実上の会長交代が示唆されています。
高森光晴講師長の年頭所感より引用します。

「みんな独りぼっち この淋しさは、どこから」のキャッチフレーズが多くの心をつかみ、新刊『人生の目的』(高森顕徹先生監修)は、ご発刊から5ヶ月で10万部を突破した。
(略)
今年も、親鸞学徒の本道をひたすら邁進し、「人生の目的」を開顕しよう。(了)
顕正新聞2024年1月1日号3面 祖師聖人の教え 末代へ 講師長 高森光晴)

もう一つ論説より引用します。

今年は、親鸞聖人ご生誕850年大法要が勤められる。ご著書『人生の目的』を手に、聖人のみ教えを胸から胸へお伝えする、報恩の年としよう(了)
顕正新聞2024年1月1日号5面 論説 なぜ人の命は尊いのか)


歎異抄をひらく」一色だった親鸞会でしたが、今年からは「人生の目的」を中心に活動をしていくようです。

この著作は、読まれた方なら分かりますが、内容のほとんどは親鸞会でよく話をされる「人間の実相」の内容です。親鸞聖人ではなくブッダの説かれた話です。
この本の最後はこう締めくくられています。

しかし、それらの一切は、人間に生まれた唯一の目的を果たす道程であり、ムダは一つもないのだよ、と、ブッダは優しく見守って下されています。
この瞬間も、一人ひとりが、阿弥陀仏の無量の光明に照らされて、確実に無碍の大道へと進んでいられる主人公なのです。(「人生の目的」P179 第3章 本文末尾)

親鸞聖人ご生誕850年統一テーマから読み取れるもの

親鸞聖人の御生誕850年統一テーマに「人生の目的」ひらく「歎異鈔」としたところも、「人生の目的」と「歎異抄をひらく」を並べて書く事で、会員に会長交代をそれとなく発信しているように見えます。

顕正新聞1月1日号1面より

親鸞聖人に対する報恩とするにしても、統一テーマに歎異鈔とあるのはよくわかりません。また、「報恩」といいながら、誰に対する報恩なのかは高森顕徹会長のご苦労に対する報恩だろうというのは会員ならそう思うようになっています。そして、実際の活動はブッダの譬喩経の内容である「人生の目的」を活動の中心に据えると言うのですから、もはや何の団体なのか分からなくなってきました。

高森顕徹会長の事実上交代をうけて、ますます迷走しそうな親鸞会の2024年を感じる顕正新聞1月1日号でした。