2019年05月01日(水)から元号が変わりました。その数日前から平成を振り返る記事や番組が多く作られました。
そこで、元号はかわりましたがこのブログでも平成の親鸞会を振り返ってみます。
思ったより長くなってしまいましたので、平成10年までが今回の記事です。
ちなみに公式サイトでは平成の親鸞会はこのようになっています。
shinrankai.jp
平成4年6月
https://shinrankai.jp/shinrankai/history
顕真会館落成(富山県射水市)
平成8年5月
顕真学院落成(福井県あわら市)
平成11年10月
蓮如上人500回忌法要
平成17年5月
正本堂(二千畳)落慶法要
平成19年2月
聞法ドメイン事業開始
平成20年11月
親鸞会結成50周年大会
平成21年10月
テレビ座談会始まる
平成23年10月
親鸞聖人750回忌法要
平成28年10月
ラジオ番組「浄土真宗親鸞会の時間」放送開始
平成29年10月
シネマ学院(同朋の里)落成
これを見ても分かる事ですが、平成からの親鸞会は建物を建てることでほぼ一色といってよいものでした。
以下は、ここに掲載されていない平成の親鸞会をふりかえります。
建物を外して考えると、平成の親鸞会は高森顕徹会長の布教媒体の変遷であったともいえます。
平成の親鸞会を書く前に、外せないのが平成の始まる前年昭和63年の親鸞会館落慶です。これまでに無かった大きな本部会館を完成したことから、平成の親鸞会は始まりました。
平成元年 3月ご法話ビデオ始まる。
昭和から、平成10年の40周年までがいわゆる親鸞会の成長期でした。会員数は増えつづけ、高森顕徹会長の法話会場も大きくなってきました。そこで、さらなる拡大を目指して導入されたのが「御法話ビデオ」でした。これは高森顕徹会長の法話を録画し、それを各地の開発地域で上映して、会員を増やし高森顕徹会長の法話に人を誘うためのものです。機関誌顕真では「現代の御文章」と書かれています。
平成2年 大量の顕正号(親鸞会名義での車)を購入。
大顕正戦30に向けて、各地の活動に必用な車を購入しました。大顕正戦30とは、会員数の30%増加を目標とした入会者を増やす活動の名前です。全国各地で会員数がまだ少ないところにも、活動員として講師が派遣されました。
平成3年 大顕正戦30の活動本格化
この年はほぼこれ一色といっていいものでした。そのため、会員の増加の余地がある学生部には特に力がはいり、機関誌でもその様子は取り上げられています。顕真会館 募財はじまる。
平成4年 アニメ映画「世界光親鸞聖人」が完成・「三願転入の話が始まる」
顕真会館 落成、海外では、ロサンゼルス会館、サンパウロ会館が落成
アニメ映画「世界の光 親鸞聖人シリーズ」が始まる。当初は、1本のみの予定でしたが、その後全六部+王舎城の悲劇が発売されることになります。
ただし、機関誌にはアニメ関係の記事は「チューリップ企画とは無関係」という建て前上掲載はありません。
11月報恩講 三願転入始まる。この三願転入により、親鸞会の活動はこれ一色となっていきます。親鸞会における「三願転入」の特徴は「善(お布施や入会・お誘い)を全力で実践せよ」が強調される点です。このような話を高森顕徹会長が始めたのは、建物に加えて、アニメの活動でかかる経費が高騰したためだと思われます。
平成5年 35周年大会・光大作戦始まる
アニメ「世界の光 親鸞聖人」第一部が修正され完成。以前に出来たものは回収されます。
顕真会館に食堂増設。このように、親鸞会館完成以降にいろいろと高森顕徹会長が注文をつけては増築を続けます。このことは、正本堂が完成しても同様なことが続きます。
35周年大会が、正会員のみの参詣と当初打ち出され、活動は入会目標、正会員顕正、参詣目標一色になる。
このころから、正会員こそ本当の会員と強調される。正会員とは、どのような会員かは、以下の「正会員誓約」を御覧下さい。
平成6年前年の「光大作戦に突入」を受けて、会の活動は光大作戦(アニメ「世界の光親鸞聖人」のビデオの販売活動)一色になる。
光大作戦を日露戦争になづらえた高森顕徹会長の檄文 顕正新聞平成6年1月1日号年頭所感より
白道作戦、T号作戦、本願寺への座り込み抗議行動、宿善論争、イナヅマ作戦と、本願寺との法戦を経てきたわれら親鸞学徒の「世紀の聖戦」なのである。
「親愛なる親鸞学徒よ、いざ出陣の秋は来れり」
この一線に敗れたら、真宗の再興はありえない。
これに勝利することが、親鸞聖人のみ教えを全世界に徹底するのだ。
総員奮起するべきときは今、
「誇り高き親鸞学徒を自負する者、ユメ後れをとってはなるまい」(高森先生)
一糸乱れぬ団結と熱き闘志で、光大作戦の完全勝利をここに誓おう。
(同上)
それ以外にも、高森顕徹会長の光大作戦への檄文が続きます。
(顕真平成6年8月号 巻頭言)
9月アニメ第3部完成
アニメ第3部のシナリオ制作の影響で「どう生きるかよりなぜ生きるかが大事」が繰り返し話をされるようになる。
平成7年10月 アニメ第4部完成 ビデオ親友部員制度始まる。
ビデオ親友部員とは、高森顕徹会長の御法話ビデオを各地で上映して教えを弘めようということで始まった制度です。これも、増え続ける会員に講師部員だけでは対応できないために、各地の幹部会員を主要な活動員として使おうとして出来た制度でした。
真実を正確に、速く、より多くの人に徹底するには、どうすればよいか。
一番は高森先生が何千、何万と分身され、直接聴聞させて頂くことである。現代科学はビデオご法話という形でそれを可能にした。かくて、各地にビデオ親友部員が産声を上げたのである。
平成の親鸞会の活動原理はここによく表れています。
これが後の、出版事業や劇場公開アニメ映画へとつながっていきます。
平成9年 正本堂に向けての募財が本格化・アニメ映画「世界の光親鸞聖人第五部」完成
6月 弘宣部ビル落成
8月 世界の光親鸞聖人第五部完成
この年より、正本堂(2000畳の本堂)の建設が発表され、100億円を目標とした大規模な募財活動が始まる。これ以降、平成17年の正本堂落慶まではこのお布施活動は継続される。具体的には後述。
平成10年 40周年大会・アニメ映画「世界の光親鸞聖人第5部」完成
正本堂への募財の本格化続く。
ここに掲げられる「○○でなければならない」「○○なことがあってはならない」「○○は厳禁」は、全てこれまでの会の活動で起きてきたことです。禁止事項というのは、それに相当する行為をする人がいるから出てくるものです。
昭和末の親鸞会館建立(25億)の時も、会員規模を考えると相当厳しい財施の目標が掲げられました。それを達成するために、各地の幹部会員が行ったのは「自発的でない」「自分以外の人に無理をかけ、苦情や非難をうける」「人に迷惑や苦痛を与え」「自己が責任を取れない」また人によっては「サラ金などの借金」をするようなものでした。
この平成に入っても上記に書きましたように、顕真会館、顕真学院、アニメ制作費用、アニメ広告費用の為に、会員は休み無く「財施」を募られ、活動現場では支部ごとに厳しい目標がありました。
しかし、それでも会員がついてこれたのは、昭和から平成10年までは会が大きく成長してきたからです。高森顕徹会長の各地での法話会場も年々大きなものになり、東京国際フオーラム、横浜アリーナ、大阪城ホールなどなど、ドーム球場を除く各地の最も大きな会場を使うようになっていました。
加えて、この平成10年は親鸞会結成40周年大会を迎え、過去最高の参詣目標が掲げられ、各地でのお誘い、入会の活動は更に激しくなってきました。
雑行雑修自力の心のプリント配られる。
高森顕徹会長が教学講義で「これが最も大事なところだ」と強調し、この後20回以上にわたって講義をしたものです。後にネット上の批判により回収され修正されますが、これは当時のものです。
これも、高森顕徹会長がいうところの三願転入との関係で出てきたもので「雑行を捨てよは善をするなではない(だから善をせよ)」と強調したいが為に作成したものです。それだけ、親鸞会の活動現場では募財とお誘いの活動が激しくなっていました。