親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

親鸞会が三願転入の解釈変更・どこが変わったのかを考える

2023年4月に入ってから、親鸞会の弘宣局長である渡部隆志氏が自身のYoutubeチャンネル「浄土真宗を学ぶチャンネル by 渡部隆志」で「三願転入」についての動画を3本公開しました。

www.youtube.com
【三願転入(2)】阿弥陀如来の本願に真実の願と方便の願のあることを明らかにされた親鸞聖人の教え - YouTube
【三願転入(3)】釈迦一代の教えは浄土の方便の善と教えられた親鸞聖人のお言葉 - YouTube

この動画では、最初から字幕で「浄土真宗親鸞会 講師 渡部隆志」と出ているので親鸞会公式見解ということになります。
このYouTubeチャンネルは今から4ヶ月前より動画が投稿され、週に2本前後のペースで更新されてきました。それまでは、親鸞会としてもそれなりに無難だと思われる内容のものを更新してきました。

ところが突然、ネット上でもいろいろと批判の多い「三願転入」を敢えて動画で公開してきました。内容としては、「なぜ生きる」「なぜ生きる2」のまとめと言った感じで3本合わせて70分あります。

変更点・「善をしなかったら助からないのか?そうでもありません」

しかし、3本目の動画の最後の部分で気になる変更点がありました。
youtu.be
上記サムネイルは、再生開始から23分19秒ごろから再生されます。

自力の善が間に合って助かるのではもちろんありません。
また誤解のないように申しますが、じゃあ善をしなかったら助からないのか。
そうでもありません。
心の道程です。
これは大変微妙なところではありますけれども、よーく聞いて頂きたいと思います。
そのような道程を私たちに通らせるために、弥陀は19 20の方便願を建てられ……
浄土真宗を学ぶチャンネル by 渡部隆志より)

この部分です。中でも「じゃあ善をしなかったら助からないのか。そうでもありません。心の道程です。」が大きな変更です。
言い換えると「善をしなくても助かる」と親鸞会が認めたということです。

これまで色々と批判を受けながらも、「宿善」「三願転入」と言葉を変えて護ってきた「救いに善は必要」または「善をしなければ進まない」「宗教の命は実践」を、ここで大きく変更してきました。

その直後に「心の道程です。これは大変微妙なところではありますけれども」と続いていますが、親鸞会で会員向けに「これは大変微妙なところ」という時は、自分の都合の悪い事をいう時です。現会員や、元会員の方で経験のある方もおられると思いますが、親鸞会教義と真宗の伝統的な解釈の違いを質問をするとしばしば「そこは大変微妙なところなので、よく聴聞してください」と回答してくるのが親鸞会です。

解釈変更をする理由を考える

親鸞会が、これまでの解釈・説明を変更する理由は、外部からの批判と内部を収めるための2つしかありません。
これまでも、本願寺派からの批判を受けて「宿善」を強調しなくなりました。その後「三願転入」を強調してきましたが、ネットで批判を受けるとあまり表立って言わなくなりました。
また、華光会に会員がどんどん移籍していったころには、小冊子を作ったり、顕真で特集を組んだり、今でも顕正新聞には「群賊悪獣の特徴」などの記事を掲載しています。ここで今まで「救われた体験がなければならない」と強調してきましたが、「体験を強調するところは群賊だから気をつけろ」と変わりました。

今回の解釈変更は、外部批判よりも内部統制のためのものだと思われます。なぜなら、内容が外部批判に対応したものがないからです。
「三願転入」(ゲスト) 阿部信幾 先生「親鸞会と本願寺派 どう違う?」 - YouTube
5ヶ月前に、本願寺派の阿部信幾先生により三願転入についての動画が公開されましたが、この内容に対する反論でもありませでした。
親鸞会もこれまで、会員に影響力のある教義的批判が生じるたびに、その都度パッチワークのようにその部分だけを修正してきました。今回もその類いだと思われます。内部で何かが起こっているのでしょう。

今回の記事では、取り上げませんが、変更箇所以外に問題がないかと言えば、これまで批判された箇所はそのままなので間違いが多いです。どこがおかしいかは、これまで飛雲に書かれた「なぜ生きる2」の記事があるのでそちらをご覧下さい。
『なぜ生きる2』: 飛雲 ~親鸞会の邪義を通して~

解釈変更をして何を護っているのか

親鸞会の歴史は、解釈変更の歴史といってもいいくらい、外部批判や内部の会員の動きに応じて変わってきました。
特に今回の変更は、これまでで一番大きな変更ではないかと思います。
教義を変えてまで護ろうとしているのは、当然教えではなく今の団体の維持でしかありません。しかし、会員の流出を止める為に教義を変えてしまっては、結局今まで長年の会員の信頼も失い長い会員ほど出ていくでしょう。

ここまで読まれた現役会員の方には、早く脱会することをお勧めします。