親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

親鸞会機関誌顕正新聞11月1日号は「方便破壊の群賊悪獣に賜る 直筆の『ご和讃』発見される」と聞いて思ったこと

顕正新聞11月1日号は「方便破壊の群賊悪獣に賜る 直筆の『ご和讃』発見される」が一面だと、以下の宗教法人浄土真宗親鸞会(会長:高森顕徹)弘宣局の講師部員のブログにありましたので紹介します。

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では
なぜ 釈迦一代の教えを疑謗することが、仏教の破壊になるのか・・・
なぜ 親鸞聖人が「真実破壊せん者」と書かれずに、
あえて「方便破壊せん者」と記されたのか・・・

とても大事なところですね。

★★★
詳しくは
次号の
親鸞会『顕正新聞』で!

★「真実破壊」ではなく「方便破壊」と記されたのは?答えは親鸞会『顕正新聞』に!★ | 親鸞会ブログ【親鸞会の朋ちゃんHappy diary♪】

今までの親鸞会の論調からすれば「方便破壊=釈迦一代の教え破壊=仏教の破壊=善の勧めの破壊」という記事なのでしょう。とはいっても、私もこの顕正新聞の記事は読んでいないので、記事の内容については直接書きません。

今回は、方便破壊について親鸞聖人が書かれたものを紹介します。

そのゆゑは、釈迦如来のみことには念仏するひとをそしるものをば「名無眼人」と説き、「名無耳人」と仰せおかれたることに候ふ。善導和尚は、「五濁増時多疑謗 道俗相嫌不用聞 見有修行起瞋毒方便破壊競生怨」(法事讃・下)とたしかに釈しおかせたまひたり。(御消息(下)27_浄土真宗聖典(註釈版)P787)(法蔵館真宗聖典_P657)

http://goo.gl/LrRSD

この御消息では、念仏をそしる人をお釈迦さまが「無眼人」「無耳人」と名付けられたといわれています。その後に、そのことについて善導大師が法事讃におっしゃったこととして、上記のご文を引いておられます。こちらに「方便破壊*1」と出ています。

この法事讃のご文はどう読むのかについては、以下の部分を紹介します。親鸞聖人が引かれたご文の前後も含めるとこのようなご文です。

世尊法を説きたまふこと、時まさに了りなんとして、慇懃に弥陀の名を付属したまふ。五濁増の時は多く疑謗し、 道俗あひ嫌ひて聞くことを用ゐず。修行することあるを見ては瞋毒を起し、方便破壊して競ひて怨を生ず。かくのごとき生盲闡提の輩は、頓教を毀滅して永く沈淪す。大地微塵劫を超過すとも、いまだ三塗の身を離るることを得べからず。大衆同心にみな、あらゆる破法罪*2の因縁を懺悔せよ。衆等、心を回して浄土に生ぜんとして、手に香華を執りてつねに供養したてまつれ。(浄土真宗聖典七祖篇(註釈版)P576_法事讃 巻下)

http://goo.gl/YD0bO

大まかな意味を書くと、お釈迦さまが念仏の法を説かれたにもかかわらず、末法では道俗ともにそれを嫌って聞こうとしない。念仏する人を見ては怒りをおこし、種々の手段を用いて念仏の法を破壊してうらみを生じる。それらの全く法をうけつけないものは、念仏の法を非難攻撃して永く三途をめぐる。途方もない長期間をへても、三途を離れることができない。それらの仏法を破壊する罪を懺悔して、浄土に生まれたいと願いなさいということです。


このご文について、法然上人がおっしゃったこととして西方指南鈔には以下のように書かれています。同じく念仏を謗るものについて

見有修行起瞋毒 方便破壊競生怨 如此生盲闡提輩 毀滅頓教永沈淪
超過大地微塵劫 未可得離三途身 大衆同心皆懺悔 所有破法罪因縁
この文の心は、浄土をねがひ、念仏を行する人をみては、毒心をおこし、ひがごとをたくみめぐらして、やうやうの方便をなして、専修の念仏の行をやぶりあだをなして、申とどむるに候也。かくのごとくの人は、むまれてより仏性のまなこしひて、善のたねをうしなへる、闡提人のともがらなり。この弥陀の名号をとなえて、ながき生死をはなれて、常住の極楽に往生すべけれども、この教法をそしりほろぼして、この罪によりてながく三悪道にしづむとき、かくのごときの人は、大地微塵劫をすぐれども、ながく三途の身をはなれむこと、あるべからずといふ也。(真宗聖教全書4_P170 西方指南鈔 巻中末_12.二位の釈尼に答ふる書)

ここで法然上人は「方便破壊」とは、「浄土を願い念仏行ずる人を見ては害心を起こし、僻事をたくみ巡らして、やうやうの方便をなして、専修念仏の行を破りあだをなし」ていることと言われています。

親鸞会の人に分かりやすく言い換えますと、「第十八願に誓われた南無阿弥陀仏の救いを聞いている人、聞こうとしている人を見ては、そんなことではダメだ第十九願の修諸功徳から始めよとか、仏教は善を勧めている、第十九願を勧めないものこそ仏法を破壊しているものだと機関誌にまで書いて第十八願の専修念仏を破壊すること」が、方便破壊なのです。

「18願だけでいいなんてとんでもない」と言って憚らない、高森会長はじめ、親鸞会の弘宣局、講師部員を「方便破壊している」と言われているんです。
そんなものは「この教法をそしりほろぼして、この罪によりてながく三悪道にしづむとき、かくのごときの人は、大地微塵劫をすぐれども、ながく三途の身をはなれむこと、あるべからずといふ也。」と戒められています.

「方便破壊の群賊悪獣に賜る 直筆の『ご和讃』発見される」と見出しを付けるのは結構ですが、紙面の内容が、ブーメラン攻撃にならないことを念じています。(記事はまだ読んでませんから)

追記 2012/10/29 12:59

顕正新聞11月1日号の記事については、下記のブログに紹介されていました。
「方便破壊の群賊悪獣に賜る直筆の『ご和讃』発見される」 : あさ川進の、宗教と私

*1:種々の手段で仏徳をこわすこと

*2:仏法を破壊する罪