顕真(宗教法人浄土真宗親鸞会機関誌)平成26年7月号を読みました。
この号には2014年(平成26年)6月15日に実施された講師試験の問題と回答が掲載されていました。
以下に紹介します。回答は、明日また追記の形で更新します。
【1】親鸞聖人や覚如上人、蓮如上人など
善知識方が、具体的な獲信の記述を
残されなかった理由を三つ以上示せ。【2】大悲の願船に乗った世界は万人平等である
ことを、「教行信証」のお言葉で二つ示せ。【3】弥陀が名号を作られたのは、十方衆生に
与えるためであることを、
『大無量寿経』のご文で二つ示せ。【4】我々の信じているものは、すべて裏切る
ものであることを、親鸞聖人と蓮如上人の
お言葉で示せ。その根拠も書け。【5】お聖教に、信心獲得に関係のないお言葉は
無いと教えられた、蓮如上人のお言葉を
示せ、根拠も書け。【6】それが弥陀の真実の救いかどうかを
判定する物差しを教えられた、
覚如上人のお言葉と、根拠を示せ。【7】弥陀が十九願で勧められる諸善は、
浄土往生させるためのお計らいだから、
無駄な善は一つもないと言われた
親鸞聖人のお言葉と、根拠を示せ。【8】名号に疑情を晴らす大功徳のあることを、
蓮如上人のお言葉で示せ。【9】大悲の願船に乗れたのは、弥陀と釈迦の
おかげであると仰った、親鸞聖人のお言葉
を二つ示せ。根拠も書け。【10】阿弥陀如来に救い摂られると、心身共に
名号と一体になる、と明示されたお聖教の
お言葉と、根拠を示せ。
(顕真平成26年7月号P25)
親鸞会の講師試験問題は、その時の親鸞会の現実を映し出す鏡のようなものです。
今回でいうと、1、4、5、7、9がその色が濃厚です。
それについては、2014/09/05に回答と共に、追記で書きますのでよろしくお願いします。
追記 2014/09/05
上記の回答を顕真から転載します。
【1】
○弥陀が十方衆生に応じてなされる
千変万化の方便(道程)を、限られた
個人の道程にすり替えることになるから。○すべて弥陀のお計らいなのに、具体的な
他人の体験を元に各自が勝手な設計図を
描き、それを自己にあてはめようとする
おそれを排除するため。○各人各様の体験談は、三世十方を貫く
普遍の教えにならないから。【2】
○凡聖逆謗斉廻入
如衆水入海一味○与韋提等獲三忍
【3】
○我無量劫に於て、大施主と為りて、
普く諸の貧苦を済わずは、誓いて正覚を成ぜじ○衆の為に法蔵を開き、広く功徳の宝を施し
【4】
○煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は、
万のこと皆もって空事・たわごと・
真実あること無きに、ただ念仏のみぞ
まことにて在します。(歎異抄)○まことに死せんときは、予てたのみ
おきつる妻子も財宝も、わが身には一つも
相添うことあるべからず。されば死出の
山路のすえ・三塗の大河をば、唯一人こそ
行きなんずれ。(御文章)【5】
○他力の信心を獲るというも、これしかしながら、南無阿弥陀仏の六字のこころなり。この故に一切の聖教というも、ただ南無阿弥陀仏の六字を信ぜしめんがためなり。(御文章五帖)【6】
○かの心行を獲得せんこと、念仏往生の
願成就の「信心歓喜乃至一念」等の文を
もって依憑とす、このほか未だ聞かず。(改邪鈔)【7】
○諸善万行ことごとく
至心発願せるゆえに
往生浄土の方便の
善とならぬはなかりけり(浄土和讃)【8】
○この大功徳を一念に弥陀をたのみ申す我等衆生に廻向しまします故に、過去・未来・現在の三世の業障一時に罪消えて、正定聚の位また等正覚の位なんどに定まるものなり。【9】
○釈迦弥陀は慈悲の父母
種々に善巧方便し
われらが無上の信心を
発起せしめたまいけり
(高僧和讃)○それおもんれば、信楽を獲得することは如来選択の願心より発起す、真心を開闡することは大聖矜哀の善巧より顕彰せり。然るに末代の道俗・近世の宗師、自性唯心に沈んで浄土の真証を貶し。(教行信証)
【10】
○信心決定せん人は「身も南無阿弥陀仏・心も南無阿弥陀仏なり」と思うべきなり。(安心決定鈔)
(顕真平成26年7月号より)
この講師試験は親鸞会では年に2回実施されているものです。親鸞会に入会したことのない方に説明しますと、「講師試験」とはいってもこれに合格したら親鸞会の講師部員になれるというものではありません。あくまで、親鸞会会員の中で、いかに親鸞会教学に習熟しているかということの指標になる試験です。出題範囲は親鸞会発行の「教学聖典」の根拠に加えて、最近の高森顕徹会長の法話や講義での内容です。
今回の試験で言えば、1、7が特にそれにあたります。
今回の講師試験の問題と回答を見て分かる事は、
といって、獲信を語る団体または個人に近づかないように牽制しています。
親鸞会は獲信した人がいないので安全な団体だといいたいようです。
次に
では、妻子や財宝は裏切るから親鸞会にお布施しろと言わんばかりです。
次の
では、十九願や親鸞会の善の勧めが「信心獲得に関係ある」(必要である)と言う設問です。
それを後押しするように
【7】弥陀が十九願で勧められる諸善は、
浄土往生させるためのお計らいだから、
無駄な善は一つもないと言われた
親鸞聖人のお言葉と、根拠を示せ。
という設問がでています。今まで挙げてきた設問は善意に解釈しようとすればできないこともないですが、これは完全にアウトです。
なぜなら、親鸞聖人が十九願による往生を勧めておられたかのように誘導しているからです。
次の
【9】大悲の願船に乗れたのは、弥陀と釈迦の
おかげであると仰った、親鸞聖人のお言葉
を二つ示せ。根拠も書け。
では、親鸞会では弥陀=19願、釈迦=観無量寿経となっているので間違いです。
今回の講師試験合格者は110名だったそうですが、私が除名になってよりほとんど顔ぶれが変わりません。また、講師部員の合格者が減少したところをみると、いかに年内に顕正(新規入会)3000名が厳しい状況なのかよく分かりました。
もしこの記事を読まれた貴方が講師試験受験者ならぱ、親鸞会発行の教学聖典を開く時間のすべてを御文章の拝読に使われた方が貴方のためです。