
宗教法人浄土真宗親鸞会機関紙・顕正新聞2023年(令和5年)3月15日号を読みました。
今回の一面は、青年婦人学生大会についてでした。
若き親鸞学徒が施主を勤める青年婦人学生大会が、親鸞会館・二千畳(富山県射水市)で3月5日に改正された。高森先生著『歎異抄をひらく』が発刊されてから15年を迎えたことを記念し、二千畳と全国各国が一堂に、『歎異抄』後序の「煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は・・・」のお言葉の解説を、詳しくお聞きした。(同1面より)
「15年」の強調
今回は、ビデオ「『15年の空白」の意義」が上映されたそうです。
内容は、「歎異抄をひらく」が発刊されてから15年、歎異抄の解説が出なくなったという内容だったそうです。
『歎異抄をひらく』が解説書の最終版とささやかれていることが分かる内容だった。(同)
「『歎異抄をひらく」が出て以来、解説書がでなくなった。」「これが歎異抄解説の最終版とささやかれている」と、どこまで本気なのか分からない事実に基づかない内容を会員向けに上映していました。
ビデオの最後には、「歎異抄をひらく」発刊15周年と画面に出てきたそうです。今年は、親鸞会にとって「歎異抄をひらく発刊15周年」の記念イヤーとなっているようです。
東京で行われる「東京降誕会(歎異抄を大いに学ぼう)」も、歎異抄が全面に押し出されている行事です。
歎異抄に大いに学ぼう | 歎異抄大学
もはや「歎異抄研究会」の親鸞会
ここ数年は、親鸞会はとにかく歎異抄一色です。今年はさらにその傾向を強くしているようです。
もはや、団体名を「歎異抄研究会」に戻したほうがいいのではないかと思います。
「歎異抄研究会」とは、親鸞会が大学生を勧誘する際に最初に用いたダミーサークルの名前です。この「歎異抄研究会」で学生入会者を増やし、その後の学生部が発展する礎となりました。その後は、いろいろと問題があり、「歎異抄研究会」の看板を下ろし、また別のダミーサークルを作って現在に至ります。
ただ、ここ最近は大学生で入会する人も少なくなり、この顕正新聞の行事も「青年婦人学生大会」となっていました。以前学生が多い頃は、「学生大会」と「青年婦人大会」は別に行われていたので、その現状も伺い知れます。
ただ、現在の親鸞会の中枢部にあたる50代から70代くらいの講師部員は「歎異抄研究会」時代の人間なので、そういう意味では彼らにとって原点回帰をしたのかもしれません。
今年は「歎異抄をひらく15周年」なのか、親鸞聖人ご誕生850年なのか
今回の新聞記事で気になったのは、以下の親鸞会降誕会の案内です。

真宗では、今年は親鸞聖人御生誕850年、立教開宗800年ということで、伝統教団では大々的な行事を打ち出しています。ところが、親鸞会にはまったくそのことが触れられていません。


比較すると分かりやすいですが、親鸞会が現在何を中心にしているのか、何を基盤としてなりたっているのかといえば、「高森先生」と「二千畳」そして「歎異抄」です。親鸞聖人や浄土真宗は、今の親鸞会にはあまり重要な位置を占めていないようです。
タイトルにも書きましたが、それほど「歎異抄」が大事なら、団体名を「歎異抄研究会」か「歎異抄をひらく研究会」にあらためた方がいいと思います。