親鸞会機関誌・顕真2021年5月号を読みました。
以下、思ったことを書きます。
最近の顕真は、活動会員向けにいかに活動をするかということについての記事が続いています。
この号は、「顕正精進賞」と「恩徳報謝賞」の受賞者が掲載されており、親鸞会の現在が分かるような内容になっていました。
本文にも書いてある通りで、「顕正精進賞」海外の受賞者数は日本国内の三倍となっています。
ここ数年の親鸞会は海外に力を入れています。 機関誌を見ても、報恩講に海外から多くの会員が参加したとか、全部で何カ国から参加者があったことを大きく報道しています。今年の降誕会は50カ国からの参加者と顕正新聞には報じられていました。*1
新規入会者数へのこだわり
ではなぜ、それほど海外に力を入れるようになったのでしょうか?
親鸞会は以前から、海外に講師を派遣して海外にも支部をいくつもつくっていました。ところが、機関誌上にもここ数年はあきらかにその扱いが大きくなっています。
その理由を考えてみると、新規入会者数が理由です。単純に、国内の新規入会者数が頭打ちになり、まだ伸び代のある海外の新規入会に力を入れているのだと思います。ここ最近はネットを使っての勧誘が盛んになり、ネット広告も非常に効果を上げているようです。英語を始めとした海外のネットユーザー数は、日本人よりずっと多くネット広告の効果も高いようです。実際、機関誌に書かれている海外の会員の入会までの経緯は、ネット経由がほとんどです。
そのためこの顕真では、ネット広告のお布施を募っています。
今、強力にオンライン布教を推進しなければ、大きなチャンスを失うことになるでしょう。
「それではいけない。この法をもっと伝えなければ」と思われる方は、大いにオンライン布教を財施でも支援しましょう。(顕真より 太字原文ママ)
ではなぜ、それほど新規入会者数にこだわるのでしょうか?もちろん、親鸞会のような団体は新規入会者がいなければそのうち存在できなくなってしまいます。しかし、一番の理由は高森会長が常に新規入会者数がどれくらいいるかを問題視するからです。入会者数や、親鸞会館の参詣者数も、とにかく右肩あがりでないと大変不機嫌となり、周囲はとにかく数字をあげるために現場に目標の数字を下ろしてきます。
私が親鸞会に所属していた頃も、「顕正戦」と称する新規入会者を増やす作戦が行われていました。この時に問題にされるのは「数字」であるために、現場の活動員はとにかく入会者数を出すために活動をします。そのため、親鸞会ではおそらく他の宗教団体に比べて入会者に対する退会者の割合が多くなっていました。
毎年「現状維持は後退である」といわれて、少なくとも前年と同数以上の入会目標が出され、時によっては二倍のこともあります。その目標に向かって、現役会員は家族、友人、知人にいろいろと声をかけますが、無理な勧誘で入会をしても結局離れる人が多く、10人入会しても10年後に1人残っているかどうかという年もあります。
入会者数を求めての試行錯誤
何年かに一度、入会者数が増えるためのいろいろいな方法を考えては、一時的に増えるものの、その後減少し、また次の手を考えるというのが親鸞会の歴史でした。
いくつか例を挙げると、以前は親鸞会の各地の地元講師の「法話」というのは一般会場も含めてお仏壇を設置し、勤行をして、講師は教誨服を着用、参詣者は正座の形式でした。これでは初めて来た人が足が引けてしまうということで、ある時から「文化講座形式」という一般の講座のように会場に机とイスだけを置いて、講師もスーツ姿にする形式に変わりました。最初は、参加者も増え、入会者数も増えましたがその後頭打ちとなりました。
その後は、アニメ頒布の顧客に月刊誌「とどろき」を勧め、定期購読をした人は会員になるという形式の入会形式もありましたが、これも名ばかりの会員が増え、親鸞会館参詣者増に繋がらないということで取りやめになりました。
数年前は、家族が入会する際に会費を家族が払っても入会者にカウントするという「紙だけ会員」の入会者増もありましたが、これは身内にしか通用しないので結局すぐに頭打ちとなりました。
いろいろと焼き畑農業のように、いろいろな手を使って勧誘をしますが、持続可能なやり方をしないのはひとえに、高森会長の要求に応じて1年単位での新規入会者数に拘るためです。
そこで、国内は頭打ちとなったところで、いよいよまだ見込みのある海外に新規入会者を求めて活動をしているのが今の親鸞会です。