親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

有名俳優のトークと歌。そして映画「歎異抄をひらく」制作発表しかなかったような60周年大会(2018年10月13日14日親鸞会館報恩講について)

2018年10月13日(土)14日(日)富山県射水市親鸞会館にて、親鸞会結成60周年大会・『歎異抄をひらく』10周年大会が行われました。参加された方から内容を聞きました。

すでに内容の教義面での間違いは、すでに以下のブログに書かれています。
hiun.cocolog-nifty.com
shingikensho.blog12.fc2.com



教義がおかしいことは、いつものことなのですが、私が今回いつもと変わったなと強く感じたのは今回の行事のパンフレットの表紙を見た時でした。
以下を御覧下さい。
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いつものパンフレットと全く違うデザインに驚きました。これで、初めて参加した人が家族や知人に今回の行事のことを聞かれた際に、「里見浩太朗が来て歌まで歌ってくれたのよ」といったら、このパンフレットをみた家族や知人は「里見浩太朗のディナーショーのパンフレットなのかな?」と思うかもしれません。

比較の為に、過去の報恩講のしおりを紹介します。
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これは、50周年です。

これは、2012年の報恩講のチラシです。
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特徴としては、今までの親鸞会の記念行事のチラシやパンフレットは必ず「親鸞会館」を大きく掲載していた点でした。それが、今回は親鸞会の歴史のベージで小さく掲載されている程度です。今回は、遠めに見たとしたら元会員の方なら親鸞会報恩講パンフレットだと気がつく人はないと思います。

60周年より、歎異抄をひらく10周年

そして何より、「親鸞会結成60周年」よりどう見ても目立つのが『歎異抄をひらく』10周年大会です。振り返ってみると、今年(2018年)の顕正新聞1月1日号から『歎異抄をひらく』一辺倒でした。当時私は、少し違和感を感じていました。なぜならば、過去に結成○○周年の年に親鸞会は全力を挙げてその行事を成功させることを目標にしていたからです。私が会員だったころは、40周年の時も、50周年の時も、年始からずっと行事が終わるまで「今年は40周年」「今年は50周年」とそればかりをいっては人を誘っていた記憶しかありません。


それが、機関紙を見る限りでも、「親鸞会60周年」という文字はそれほど目立つ記載はありませんでした。それに対して『歎異抄をひらく』10周年は何度も目にしました。


実際に行事が終わってみると、参加者の記憶に残っているのは「里見浩太朗が来た」ということと「『歎異抄をひらく』が映画になる」が殆どではないでしょうか?
なぜなら、肝心なはずの高森顕徹会長の話も、期待はしていませんでしたが、話の途中で終わっています。

高森顕徹会長が今回いいたかったこと

それどころか、私が聞いた限りでは、高森顕徹会長の話で、最もいいたかったことは

「世の中に歎異抄の解説書はいろいろあるけど、私の書いた『歎異抄をひらく』以外はみな間違い。そして、この『歎異抄をひらく』が来年映画化されます!みんな見てね。」

になるからです。


その意味では、いつも高森顕徹会長の話を真剣に聞かれている会員は、今回の話に込められた意図を正確に受け取ったということになります。そうなると、そもそもの話として、今回の報恩講の演題についての話ではなかったということになります。
今回の演題(質問)は

歎異抄一章に「摂取不捨の利益」と仰っておられるとお聞きしますが、その世界は、どういう世界でしょうか。

でした。
これについては、参加された方から、13日の時点で聞いていたので、自分ならどう答えるだろうと考えて14日の早朝に話を録音してネットラジオ版安心問答で公開しました。
d.hatena.ne.jp



14日の早朝に公開して、14日の内容はどんなものになるだろうと思っていましたが、予想通りといいますか、私とは全く違う話になっていました。内容についての御意見があれば、これを読まれている会員の方は宜しくお願い致します。

映画『歎異抄をひらく』についての予想

映画『歎異抄をひらく』が来年完成するとの発表があったことで、今回の行事は表題にあるように2日間かけて、里見浩太朗まで呼んで行った、完成予告行事だったことがよくわかりました。


そこで、映画『歎異抄をひらく』について、勝手に予想してみます。今回のことでいつもと違うのは、声優を誰がするのかの発表が全くない点です。今まででいうと、映画「なぜ生きる」では里見浩太朗の名前をかなり前から出していました。遡ると、アニメ「世界の光親鸞聖人シリーズ」のころは弁円を中尾彬が演じるとか、有名声優がでることを随分宣伝していました。


ところが、今回はそれについては内容も含めてまるで発表がありません。それで考えられるのは、親鸞聖人役を高森顕徹会長が演じるというものです。

「高森会長=親鸞聖人の化身」計画

これによって何が起きるのかといえば、何十回も完成した映画「歎異抄をひらく」を観る会員にとっては、スクリーンの親鸞聖人が高森会長の声で話をするわけですから、「高森会長=親鸞聖人(の生まれ変わり)」という図式が成り立ちます。


それは、私たちでも有名声優が自分の演じたキャラクターの声でセリフを話すと、そのキャラクターと重ねてみてしまうのと同じです。野沢雅子が「オッス、オラ悟空」といえば。「あ!悟空だ」と思います。小山力也が「CTUだ!銃を捨てろ!!」といえば、「ジャックバウアーだ!」と思います。


ですから、親鸞会会員がスクリーンに大写しになった親鸞聖人が、高森顕徹会長の声で話をすれば、なおさら「高森先生は、親鸞聖人の生まれ変わりなんだ」と思うことは想像に難くありません。これが、高森顕徹会長が親鸞会会員に残す最後の遺産といえるでしょう。


現役会員が、「高森顕徹会長=親鸞聖人の化身」と思い込む限りは、会員にとって「宗教法人浄土真宗親鸞会」は浄土真宗の正統ということになります。そうなれば、次の会長は、極論すれば誰がなってもいいわけです。「私は高森顕徹会長(=親鸞聖人の化身)の教えられたことをそのまま伝える者である」と表明すればいいだけです。


ただ、それも高森顕徹会長を知っている会員がいる間だけの話であり、現会長がいなくなったあとに映画「歎異抄をひらく」を覩た人にとって、「高森顕徹会長=親鸞聖人の化身」と思う人は少ないでしょう。そういう意味で、高森顕徹会長の作り上げた虚像とともに縮小していくのが親鸞会なのかと思いました。


また、会員向けに「高森顕徹会長版」を制作し、一般には別の声優を起用するということも考えられますが、公開しないことには何ともいえません。もし、映画「なぜ生きる」のように一般映画館での上映があれば、また観に行って思ったことを書こうと思います。