親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

書評「親鸞聖人を学ぶ」(伊藤健太郎・仙波芳一著_1万年堂出版)宗教法人浄土真宗親鸞会の布教ツールとして読むと、現在の親鸞会が分かる本

親鸞聖人を学ぶ

親鸞聖人を学ぶ

親鸞聖人を学ぶ」が、1万年堂出版から出版されたので購入しました。今回は、その感想です。
このブログの読者の方ならご存知の方も多いですが、この本の著者、伊藤健太郎氏は宗教法人浄土真宗親鸞会の講師部員です。また、仙波芳一氏は親鸞会の出版部門の職員です。しかし、巻末の著者略歴にはそのことに全く触れられていません。巻末に真宗史学研究所職員ということになっていますが、ここはサイトは有っても実態はありません。

浄土真宗を歴史的観点から研究:真宗史学研究所 親鸞聖人や蓮如上人の旧跡紹介



内容を一言で言うと、親鸞会作成のアニメ「世界の光親鸞聖人シリーズ」の解説書と「こんなことが知りたいシリーズ」(高森顕徹著_非売品)の再編集版です。現役会員と元会員の人にとっては、買う理由は全くないと思います。
しかし、なぜ今になって1万年堂出版の高森顕徹会長本の焼き直しでしかない本を、親鸞会が出したのかを考えると、現在の親鸞会の活動状況がよく分かります。


現在の親鸞会は、既存の幹部会員の高齢化と、大学での勧誘がほとんど出来ない状況から、このまま時間が過ぎると会員の自然減は避けられない状態です。加えて、唯一の頼みの綱といってもいい高森顕徹会長も、今年で86歳になる高齢ということもあり、月に一度の富山県親鸞会館の法話もまともに開催できるかどうかが怪しい状態です。


そこで、なんとか会員を増やすために現在親鸞会が力を入れているのは、「アニメ映画 世界の光親鸞聖人上映会」です。
こういうサイトもチューリップ企画名義で作っています。

親鸞聖人のアニメ映画上映会はこちら

そのアニメ上映会は、各地の親鸞会講師やアニメ講師が主催して、親鸞会に新規入会する候補者を探しています。会場では、アニメ上映だけでなく、テキストをつかっての「仏教教室」なる勉強会も行われています。
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(とどろき☆ホッと通信 平成26年11月号 (株)チューリップ企画より)
全6冊の構成となっており、画像でも読めますが、以下のようなタイトルです。

  1. お釈迦さまと阿弥陀仏
  2. 仏教が明かす運命の仕組み
  3. 真実の鏡に映る本当の私
  4. 何のために仏教を聞くの?
  5. 「なぜ生きる」と仏教
  6. 知っておきたい仏事の心得

タイトルでわかりますが、後半になると「なぜ生きる」(高森顕徹会長の著書)が出てきたり、最後の「知っておきたい仏事の心得」では、「名号本尊が正しい本尊だ」とかなりの部分で強調してあり、親鸞会入会を勧めるためのテキストだと分かります。(親鸞会に入会すると、親鸞会作成の「正御本尊」が貸与される)。全六回の「仏教教室」に参加すると、「もっと深い話」が聞けるということで、高森顕徹会長のテレビ座談会や、ビデオ法話、富山の親鸞会館での法話に誘われるという仕組みに成っています。もし、この記事を読まれて、なにも知らないままアニメ上映会に参加していた人は、ご注意下さい。そして、出来ればそこから離れることを強くお勧めします。


また、親鸞会は、このアニメ上映を強く推進するために、移動映画館なる改造バスを全国に配置する計画です。

日本初? 移動映画館なるものを目撃 : 北摂の混沌
「移動映画館」で検索してでてきたブログを紹介しました。とても目立つ色なので、これをご覧になった方は「宗教法人浄土真宗親鸞会」の勧誘だと思ってください。


また、このようなバスを運転するには大型特殊免許が必要です。そこで、親鸞会ではこの「移動映画館」(アニメバス)を「動城」(道場とかけているのだと思う)と呼んで、機関誌にそのドライバーになった人の体験談を載せて、ドライバーを募集しています。
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(顕正新聞 平成26年12月1日号より)


つまりオール親鸞会で、このアニメ上映会の参加者を増やし、親鸞会の入会者を増やそうというのが現在の会の方針です。それをより加速するためのものが、今回の「親鸞聖人を学ぶ」です。そのため、この本では、巻末に「アニメ 世界の光親鸞聖人シリーズ」と高森顕徹会長の著書「なぜ生きる」「なぜ生きる2」「歎異抄をひらく」「親鸞聖人の花びら」の紹介ページが続きます。


しかし、この本を読むと一つ疑問が起きてきます。
それは、前書きを読んでみても、高森顕徹会長の名前が出てこないことです。中身を読めば高森顕徹会長が関わっているのはすぐ分かります。にも関わらず、今回は高森顕徹会長の名前は、著者にも監修としても載ってはいません。「なぜ生きる」では監修者として名前を載せ、それ以降は著者として名前を出してきた「高森顕徹」は今回の本には全く出てきません。加えて、親鸞会では「親鸞聖人の教えの根基」と強調している「三願転入」もこの本には出てきません。
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親鸞伝の決定版!
歴史から、生涯、教えまで、全て、この1冊で学べます。
親鸞聖人を学ぶ 帯より)

と書いているのですから、会の内部と外部でいうことが随分違っていることがわかります。よほど「なぜ生きる2」に「三願転入」を書いて酷評されたことが高森顕徹会長の自尊心を傷つけたようです。「もう傷つけられたくない」(なぜ生きるより)と言わんばかりに、徹底的に自分の名前を出さない方針に転換したようです。


ここから分かる親鸞会の現状は、「善知識」として全面にでていた高森顕徹会長は、自らその立場を放棄して内にこもっているということです。現に、会員でさえモニター越しにしかその姿をみることはほとんど出来ません。
もう一つは、教義の秘事法門化です。会の内部では「三願転入を説かない伝統教団は間違い」「三願転入を説く高森顕徹会長こそ真の知識であり、その団体である親鸞会こそ真宗の本流」と勇ましく言っています。しかし、実際は全国で行っているアニメ上映会でも、仏教教室でも「親鸞聖人を学ぶ」でも「親鸞会的三願転入」は出てきません。親鸞会に入会した人にだけこっそり伝えられる秘事法門に成っています。それをあえて書いた
「なぜ生きる2」はAmazonのレビューでは酷評され反論も出来ませんでした。


ちなみに「高森顕徹公式サイト」の中にある高森顕徹会長の書籍には「なぜ生きる2」だけは掲載されていませんでした。よほど本人にとって触れられたくない黒歴史になっているのだと思います。
高森顕徹 公式サイト|書籍紹介

※追記 このエントリー公開後に「なぜ生きる2」とその目次が追加されていました。

会の構成員に向かっては、新規会員増を呼びかけながら、自身は名前も出さず内にこもっているのが高森顕徹会長の現状です。もはや「会員減少をくいとめる」ために活動をしているのが現在の親鸞会です。
このエントリーを読まれている現役会員のみなさんへ、貴方は「親鸞会の会員減少をくいとめるため」に会員になっているのでしょう?自身の往生浄土を考えるのならば、今の親鸞会にいる意味はありません。

本の具体的な内容については、また次回の記事に書きます。

参照 「なぜ生きる2」Amazonレビューより

親鸞聖人が教えられたことを曲解して、金集め人集めに利用している書, 2013/12/21
投稿者
野菊
レビュー対象商品: なぜ生きる 2 (単行本)
私はこの著者が会長を務める親鸞会に長年所属してきました。

親鸞会では、常に多額の献金と強引な勧誘をするように言われ続けてきました。

それは雑誌などでも取り上げられる程の異常な行為です。

なぜそれを私も長年してきたのかと言えば、この本の主題である三願転入論が正しいと思ってきたからです。

ところが、ここにあるレビューとコメントを見て、高森さんの言う三願転入論が、親鸞聖人の教えを曲解していることに気が付いたのです。

えむさんのレビューについたコメント欄での論争
http://www.amazon.co.jp/review/R1MOHEAHSY8Z2E/ref=cm_cr_pr_cmt?ie=UTF8&ASIN=4925253751&linkCode=&nodeID=&tag=#wasThisHelpful

めんまさんのレビューについたコメント欄での論争
http://www.amazon.co.jp/review/R36OEFEZKE3ARV/ref=cm_cr_pr_cmt?ie=UTF8&ASIN=4925253751&linkCode=&nodeID=&tag=#wasThisHelpful

fjalgaさんのレビューについたコメント欄での論争
http://www.amazon.co.jp/review/R2J65YVYYW867L/ref=cm_cr_pr_cmt?ie=UTF8&ASIN=4925253751&linkCode=&nodeID=&tag=#wasThisHelpful

新人太郎さんのレビューについたコメント欄でのたんぽぽさんとの論争
http://www.amazon.co.jp/review/R2PIE1MLRHGDSG/ref=cm_cr_rev_detup_redir?_encoding=UTF8&asin=4925253751&cdForum=Fx939CP2LHY9HD&cdPage=1&cdSort=newest&cdThread=TxXF3WUKAAO8MF&newContentID=Mx2CEGJHF8SM1CD&newContentNum=59&store=books#Mx15FBXST4P6I28

Taro Yamadaさんのレビューについたコメント欄での論争
http://www.amazon.co.jp/review/RWARSRBW1QQF8/ref=cm_cd_pg_oldest?ie=UTF8&asin=4925253751&authToken=&cdForum=Fx2RYSFBCSS06DZ&cdPage=1&cdSort=newest&cdThread=Tx2CAUMY7XEAMLO&store=books#wasThisHelpful

を読んではっきりしたことがあります。
何のことはない、単にお金を集めさせ、人を集めさせるために、勝手に教えを利用していたに過ぎません。

三願転入に関して実際に善知識方が仰っていることをまとめると以下になります。

1.第十九願を勧められた善知識はいない。

2.雑行とは、第十九願、定散二善のことで、往生の為には雑行である第十九願、定散二善を捨てよとしか教えられていないし、不要と仰っている。

3.第二十願に入った人は、雑行である第十九願、定散二善を捨てて念仏1つになる。

4.雑行である第十九願、定散二善は、第十八願に入る前に自分の意思で捨てることができる。

5.疑情、仏智疑惑とは、罪福、因果の道理を信じる心のことである。

6.無明の闇は、死後が解からない心ではないし、信心決定しても死後のことはわからない。

7.親鸞聖人が第二十願を勧められたお言葉はある。(1の確認:第十九願を勧められたお言葉は皆無)

8.三願転入については、親鸞聖人が『教行信証化土巻』でのみ1箇所仰っただけで、他の善知識は全く仰っていないし、親鸞聖人もお手紙や他の御著書では全く仰っていない。

高森さんが教えていることは、根本的に親鸞聖人の教えと反対なのです。
この本の中では、たとえ話がふんだんに使われていますが、たとえ話で誤魔化して、親鸞聖人が仰っていないことを仰ったかのように装っているだけです。

よって、私は会員をやめます。

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参照 親鸞会アニメ上映会に関する記事

やや日刊カルト新聞: 親鸞会が世田谷区施設で偽装勧誘=区は放置の方針
やや日刊カルト新聞: YouTubeが親鸞会の偽装勧誘映像を削除、本紙は別サーバに再アップ

やや日刊カルト新聞に紹介された最近の親鸞会の新規勧誘潜入レポート(動画あり)を読んで思ったこと - 親鸞会を脱会した人(したい人)へ