顕真*1平成26年6月号を読みました。
この号は、2014年5月17日(土)・18日(日)に親鸞会館*2(富山県射水市)で行われた「親鸞聖人降誕会」の内容と、参加者の感想が中心でした。
(顕真平成26年6月号目次の一部)
その中で、降誕会初日に上映された映像の中から「正御本尊」についての記事が気になりました。その気になる箇所はここです。
(親鸞会機関誌・顕真平成26年6月号P16より)
本願寺派の宗制にも「本尊は阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)で一仏である。」「しかし、現実には、寺は木像本尊である」の場面です。
なぜここが気になったかというと、上記の画像に註釈を加えました。
「本願寺は本尊を南無阿弥陀仏といいながら、寺が木像本尊ばかりなのはけしからん!」というのが親鸞会の理屈です。しかし、「親鸞会の本尊が正しい」というのならニセモノを本尊とするのは自己矛盾といわざるを得ません。
親鸞会に入会したことのある人ならご存知のことですが、親鸞会での「正御本尊」は「親鸞聖人の書かれたもの」としながら「南无阿弥陀仏」の左下に「親鸞」の文字が入っています。
しかし、実際の本願寺派所蔵の「六字名号」にはそのようなものはありません。
(「親鸞聖人750回忌・真宗教団連合40周年記念 親鸞展ー生涯とゆかりの名宝」(2011)より)
実際にはない場所に、「親鸞」の文字を貼り付けた「偽装本尊」です。以下は、その検証画像です。
(コピー&ペースト正本尊 « 用管窺天記より引用)
「本願寺派の寺の本尊は木像だ。だから親鸞聖人の教えに背いている!!」と親鸞会は主張しますが、親鸞聖人の六字名号を切り貼りしてこの世に存在しない「正御本尊」を会員全員に貸与しているのは正しいことなのでしょうか?
木像本尊をいくら批判したところで、「正御本尊」が「偽装本尊」では話になりません。ちなみに、今回の顕真を含めて「親鸞会での正御本尊(偽装本尊)」の写真は掲載されたことがありません。それは、親鸞会自体が「親鸞会の正御本尊は偽装本尊である」と認めているからです。
今回の顕真には、「親鸞会の正御本尊(偽装本尊)」にして良かったと喜ぶ会員、講師部員の声が紹介されていますが、とんでもないことです。
一時期食品偽装問題が取りざたされたことがありました。パナメイエビを芝エビと称して販売したなどの事件ですが、それらに共通しているのは「どうせ客には違いが分からない」という店側の傲った理路です。それ以上に「会員には分からないだろう」と会員に「親鸞聖人ご真筆の御名号ですよ」と言って「偽装本尊」を貸与する親鸞会(入会金5万円)は悪質です。
つまり、パナメイエビを芝エビと称して販売するのはまだ同じエビですが、親鸞会のやっていることは羊頭狗肉です。羊と称して犬の肉を出しているようなものです。また、馬と称して鹿の肉をだすようなものですから、これほど会員を馬鹿にした話はありません。
今回のビデオは、親鸞会の「正」御本尊が「偽装」本尊だとビデオ画像で親鸞会自身が告白したものです。
私が親鸞会にいた頃は「根本に尊ぶべきご本尊が間違っているから本願寺派は間違っている」という話を何度も聞かされました。しかし、それをいうなら「根本に尊ぶべきご本尊が偽装だから親鸞会(高森顕徹会長)の教えは、真宗にみせかけた偽装真宗である」となります。
親鸞会の会員の方は、せめてご本尊は「偽装本尊」ではなく、「正御本尊」にしてください。