親鸞会を脱会した人(したい人)へ

宗教法人浄土真宗親鸞会を脱会した人(したい人)の為に、親鸞会とその教義の問題について書いたブログです。

NHKスペシャル未解決事件File.02オウム真理教を見た感想

5月26日(土)27日(日)と二夜連続放送されたNHKスペシャル未解決事件、File.02オウム真理教を見ました。

番組の内容は以下のようなものです。

社会に衝撃を与え、多くの謎を残した事件を徹底検証するシリーズ「未解決事件」。ファイル2は、化学兵器による世界初の無差別テロを引き起こしたオウム真理教をひもとく。一連の事件の真相を語ることなく死刑が確定した首謀者・麻原彰晃。なぜオウムは暴走したのか。実録ドラマでは700本のオウム極秘テープや、元古参幹部の新証言、死刑囚からの手紙を基に、教団崩壊までの軌跡を初めて映像化。暴走の原点を探っていく。(番組詳細より)

私自身、浄土真宗親鸞会というカルト団体に15年間所属しており、そのうち10年間は講師として活動をしていたので、番組内容は他人事とは思えないどころか、既視感あふれるものでした。

修行の内容などは異なるものの、教祖とそれをとりまく信者のあいだの人間関係、上下関係は全く同じであると感じました。

一番特徴的なのは、教義の基準が教祖の脳内にあり、それを信者は批判することができないというところです。オウムの麻原彰晃は、「悪業をつむ人間を殺すことで、これ以上罪を造らせないようにするから、これは救済である。」と、殺人による救済の肯定を主張しました。それに対して、教義的に異を唱える信者はいるはずもなく、「これが教義だ」「これが救済だ」と教祖がいえば全部OKというのは、親鸞会もまるで同じです。

また、教祖の指導の下にすべてを決めることによって、信者が自分のなかの善悪の判断も、常識も、教祖に預けることによってそれでよしとしてしまうところも全く同じだと思いました。

特に親鸞会は、高森会長を中心とした知識帰命の団体ですから、その点はオウム真理教とまったく同じです。手段が、殺人か、金集め人集めの違いという以外は同じです。

次に、教祖がまったく真相を語らないという点も同じです。オウム真理教関係の事件は、麻原彰晃がなぜテロ事件を起こしたのかという動機も、目的も一切語りません。そのことが、元信者と被害者、被害者の遺族を苦しみ続けています。親鸞会でも、高森会長は、「なぜ正本堂が必要なのか」「なぜとつぜん弁当事業に力をいれるのか」「なぜ法論を挑まれても答えないのか」「なぜ海外にまで弁当を配らねばならないのか」「なぜあれだけ力を入れていたアニメについて最近触れないのか」「なぜ同朋の里に建物が必要なのか」「なぜダムが必要なのか」一切を語りません。信者は勝手に想像し教祖に深い御心があると妄想し、被害者とその家族は分からないことで苦しみます。


最後に、およそ宗教人らしくない思考や、目的をもった人間が教祖をしており、その教祖が「救済」「教義」といった「正義」の名の下に人を集めて自己目的を達成するのがカルト教団なのだとよく分かりました。
番組中に、麻原彰晃に宗教団体設立を勧めた人物の言葉が印象的でした。

気の弱い人間が宗教には集まってくる。そんな連中を魚釣りのようにどんどん釣り上げればいい。(番組より)

これがカルト宗教の教祖が、教団を維持し続ける目的です。

自らが救われることを、他の人間に預けるということは、自らが救われることを放棄したにすぎません。真宗では、阿弥陀仏以外に私を救って下さる方はありません。

自分で考えることを、他人に預けることは「楽」ではあっても、「救い」にはなりません。親鸞会の会員の人も早く、今いる団体を離れて下さい。

元カルト団体の被害者でもあり、加害者でもある私は、残った会員の人が一人でも多く会を離れることを希望します。